Seji Ozawa / Mito Chamber Orchestra - Mito Chamber Orchestra 2012 Cello Solo Miyata Dai [Japan BD] NSBS-17531

Just fantastic

指揮者、ソリスト、オーケストラがその能力を存分に発揮した名演です。

2012年1月19日のNHKによる録画です．会場は水戸芸術館コンサートホールATM（私は行ったことはありません．映像でみるのもこれが最初．コンパクトでインティメイトなホールです）．曲は次の三つ．1. モーツァルト：ディヴェルティメント ニ長調 K1362. ハイドン：チェロ協奏曲 第1番ハ長調3. モーツァルト：交響曲 第35番 ニ長調 K.385＜ハフナー＞メインはハイドンです．チェリストの宮田大さんに私は感動しました．この若者は曲に溶けこみ，忘我の境でチェロを弾いています．目は激しく動き回りますが，焦点は一瞬たりとも定まらず，虚空に飛びます．自分の出す音，バックの音だけに集中しているようです．指揮者も観客も会場も皆消えていた！--- ， 彼の真剣さは観客に伝わり，終われば拍手喝采．こんな演奏は年季を積んだ大チェリストにはできません．アンコールで「荒城の月」をやりました．出だしの低音は，私がかって聴いたことのない哀愁の深さを感じさせるほど良かったけれど，曲の最後の一音は外していました（聞き違いなら，宮田さん，ゴメンナサイ）．モーツァルトのK136（指揮者なし），K385（指揮者あり）も楽しく聴けます．さすが世界に通用する水戸室内管楽団でした．が，一方で小澤征爾さんの体力低下も窺われ，寂しさが募ります．これらに加える特典映像として「世界に通用する音楽へ〜小澤征爾･吉田秀和〜」と題するお二人の対談が付録されます．吉田秀和さんは昨年亡くなられました．小澤征爾さんも手術後の現役復帰が待たれる状態．そんな今，元気な頃のご両人の語り --- ．話の間に挿入される水戸室内管楽団のヨーロッパ公演の録画も貴重です．これらもDVD化されればいいのに，です．小澤征爾さん，水戸室内管楽団の各メンバーの方々，彼らの後ろにいて長い間バックアップされてきた吉田秀和さん．この人たちの織りなす交情も自ずから伝わってくる温かな映像--- ．私は見ていて何度も胸の熱くなるのを禁じ得ませんでした．水戸室内管楽団はわれらの誇りです．というわけで本DVDは色んな意味で優れもの．星５プラス α の採点です．

音質、画像ともに、そしてなにより小澤さんと宮田さん、水戸メンバーの演奏にとても感動しました期待通りです。

演奏のみならず、音質も最高録音でした。専門的で申し訳ありませんが、ブルーレイ再生装置に付いている「光出力端子」から光デジタル信号を取り出した後に、D/A変換しハイファイオーディオに接続した音質のことで、CDの音質を超えています。残念ながらテレビセットそのものから出る音質のことではありません。