The World of Nagaraj

Good book

Have received different bookcover than displayed while buying.

Ok

currently reading the book

Sense of humour

Timely delivery and great book.Overall satisfied with the delivery.It was good experience. The book is a great read.

Elevating the ordinary and creating magic is something that R K Narayan does in all his books. This book is no exception.A simpleton like Nagaraj and his most pedestrian routine has been captured so beautifully in this eminently readable narrative.There is subtle humour throughout the book. The exchanges betqeen Gopu and Nagaraj towards the end of the book is hilarious.A wonderful read!

『ナガラージの世界』(1990年刊)は、R. K. ナーラーヤンにとって生涯最後の中篇小説だ。ヒンドゥー的価値観に居直る晩年のナーラーヤン作品は、あまり好きではない。しかし、この『ナガラージの世界』においてナーラーヤンが描く無能なるヒンドゥーの肖像は、今までにもまして徹底しすさまじいものがあった。ナガラージの生きる世界は何とも居心地の良い、豊かで楽しい場所に違いない。親から相応の遺産を受け継ぎ毎朝プージャに勤しみ、街には話のあう何人かの仲間がいて(馴染みの“お喋り男”も、“看板屋”も、ボーダレス・カフェの主人も登場する)、また本人は、ヒンドゥーの伝説的な賢者ナーラダについて本を書くというライフワークも持っている。まったく人も羨む境遇であると思う。しかし、そこに問題児の甥っ子が闖入してくることによってナガラージの世界は動揺し始めるのだ。ナガラージは妻から甥っ子に甘すぎると責め立てられても決して反論しない。しかし、自分たちに子供ができないのは妻の祖先がキング・コブラを殺した呪いであるという占星術士の見立てをナガラージは信じている。執拗に甥っ子への叱正を妻に迫られるとナガラージの想念はシェークスピアの『マクベス』における妻が王殺を指嗾する場面へ時空を超えて移動してしまうのだ。ナガラージは、純粋で一切邪念のない精神性にしか価値を見出せない。高い精神性をもつが現実に変更を迫り修正していく能力は皆無で、甥っ子夫婦の新しい世代に翻弄されるばかりだ。しかし、ナーラーヤンの無能の人への徹底したこだわりは、ある種のヒンドゥーの最良部分を表しているのに違いない。人間存在の精神という深みを称揚し続けようとするナーラーヤンを単純には否定し切れない、というのが僕の結論だ