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安**子
ローマとはこんな時代だったのか・・・息もつかせぬ面白さ
○実に面白い読み物。王政から共和制、帝政と進むローマの歴史のなかで、人々が共和政(市民の平等)をいかに維持しようとしたかを物語っている。カエサルが国法に反してルビコン川を渡ってローマに向けて進軍した時が、共和制の実質的な終わりのはじまりだった、という意味でルビコンを書名としている。○ずっと前に読んだヘーゲルの歴史哲学講義のなかで、ギリシャに対する評価が高いのに対して、ローマに対する評価がやけに低いのが気になっていたが、やっとその訳がわかったような気がする。〇ローマ人にとって謙虚は美徳でなく自己顕示・自己主張をとことん行うことが当然であった。子育ても乱暴で、世話をやかずにほおっておいて育つ子が良い子だとされた。したがって、幼児死亡率は極めて高かった。○ローマには属州から有り余る穀物が運ばれてくるためローマ人は生産を忘れた。末期になると、ローマ人は子供を産まなくなり、そのために出産促進策(少子化対策!)として金銭的インセンティブが提供されていたのが面白い。○ローマが興隆した後もギリシャは存在しておりその文化的権威は高かった。ローマで家庭教師になるギリシャ人が多かったし、ギリシャにあこがれて東方進出を企てたローマ人有力者も多かった。しかし、東部は、魅力に満ち、利益を産んだので、東進した者は最終的に東方に染まり滅亡の道をたどった。○ガリア人は野蛮・勇猛で知られたが、ローマ人はワインで籠絡した。ワインの味を知ったガリア人は、切にこれを求め、お互いに戦った。わずかのワインで奴隷を一人買うことができた。
J**K
内容は示唆に富んでいるが?
YouTubeでローマ帝国、古代ギリシャに関して検索したら著者Tom Hollandがヒット。彼のレクチャーを2,3聞くと「歯切れが良く、的確な説明、豊富な知識に基づく回答」等に惹かれ、アマゾンで面白そうな本を見つけ先ずは彼のデビュー作で有る本著を紐解きました。ところが期待とは裏腹に、共和制ローマの歴史がウィキペディア的な淡々とした解説に終始し、シーザーがルビコン川を渡る場面も盛り上がりに欠け、今三です。一言で言うと、ナレーションが下手。 内容的には誇り高きそして300年以上続いた共和制が「派閥争い、富の集中、暴力の台頭、戦争の疲労」等により弱体化し、問題を解決しローマに再び栄光を取り戻すには、民主主義ではなく、一人の優秀なリーダーが優れていると市民が結論付け、共和制は廃止されていく。読んでいて現代アメリカが重なり合って行くのは私一人では無いでしょうか?
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